HUAWEI P9は、複数の周波数を同時に利用する「キャリアアグリゲーション(CA)」に対応しています。スペックには、その組み合わせとして「B1+B19/B3+B19/B1+B3/B1+B8/B3+B8」と記されています。
筆者が使っているSIMは、NTTドコモ回線を使うBIGLOBE SIMなので、Band1(2.1GHz)+B19(800MHz)、Band1(2.1GHz)+Band3(1.7GHz)Band3(1.7GHz)+Band19(800MHz)の3つの組み合わせで利用できるはずです。
キャリアのスマホは、その端末がCAに対応している場合、CAを使ったほうが効率よく通信できる場合は、自動でCAにつながります(と、聞いています)。HUAWEI P9も勝手につながってくれるだろうと思っていたところ、見つけたのが「モバイルネットワーク」設定にある「キャリアアグリゲーション」という項目。購入時の設定ではオフになっていて、手動でオンにする必要がありました。
初期設定では「キャリアアグリゲーション」はオフになっているオンにすると、このような注意が表示。「有効」を選択後、再起動する必要があるキャリアアグリケーションにつながると、アンテナの「4G」という表示が「4G+」に変わる少しでも通信速度が速いほうがいいと、オンにしてみましたが、今ひとつ「速くなった」という実感が得られません。また、意外にCAにつながらない場所が多いというのが率直な感想。
というわけで、CAにつながる場所で、CAをオンにした状態と、オフにした状態とで通信速度を比べてみました。新宿、渋谷、自由が丘、二子玉川など、都内の数か所で確認しただけですが、結果を先に言えば、ほとんどの場所では、CAをオンにしても、通信速度はさほど変わりませんでした。むしろ、CAをオフにしたほうが速いということも……。CAによる高速化の恩恵を実感できたのは、副都心線渋谷駅のホームと、自由が丘駅南口くらいでした。
測定には「スピードテスト」(開発:SpeedSpot.org)という無料アプリを使った。これは、副都心線渋谷駅でCAををオンにしたときの結果こちらは、同じく副都心線渋谷駅でCAををオフにしたときの結果。下り速度は半分程度に落ちたCAは帯域を隙間なく利用し、効率よく通信させることが主目的。これまでの取材で、そういう説明を受けています。場所や時間帯によっては、CAの効果でビュ~ンと高速になることもあるかもしれませんが、少なくとも筆者の行動範囲では過度な期待はできなそう。ですが、つながりやすさを期待して、このままCAオンで使い続けてみようと思っています。
余談ですが、「キャリアアグリゲーション」って言葉やその意味を知っている人って、まだまだ少ないですよね。ファーウェイの端末を買って「キャリアアグリゲーション」を知らない人は、おそらくオフにしたままで使い続けることになるんだろうなぁって。何かしら説明があったほうがいいんじゃないかなぁって。今度、取材する際に提案しておきますね。