Huaweiの最新フラグシップスマートフォン「HUAWEI P10」と「HUAWEI P10 Plus」が6月9日に発売される。カメラの評価が高い「HUAWEI P9」の後継機で、さらにグレードアップしたライカのレンズを搭載しているということで、期待値は高い。ここでは、P10/P10 Plusの購入を検討するにあたって「欲しいと思う理由」と「惜しいと思う理由」をまとめる。
左が「HUAWEI P10 Plus」、右が「HUAWEI P10」欲しいと思う理由は進化したライカのカメラ。これに尽きる。モノクロセンサーとRGBセンサーで捉えたイメージを融合することで、ディテールが精緻で鮮明な写真を記録できるのはP9と同様だが、P10/P10 Plusではモノクロセンサーの画素数がP9の1200万画素から2000万画素に増えたことで、より鮮明に描写できるようになった。さらに、2000万画素で撮影した画像を1200万画素分に切り出すことで、画質劣化を抑えた2倍のズームも可能になる。やや距離の離れた被写体を撮影するのにも向いている。
P10/P10 Plusは2000万画素のモノクロセンサーを搭載。またP10 Plusのみ、より高画質なレンズ「SUMMILUX-H」を採用している新たに「ポートレートモード」が追加されたのも特筆すべき点だ。スマートフォンで撮影したポートレートは、画像を拡大すると、肌色がのっぺりとすることが多いが、P10/P10 Plusでは190ものポイントから顔の形状を3D認識することで、陰影を作り出し、芸術的なポートレートに仕上げられるという。
新たに搭載した「ポートレートモード」190のポイントから顔の形状を立体的に解析し、陰影を作り出せるように背景をぼかして人物を際立たせられる6日の発表会でフォトグラファーの舞山秀一さんが披露したP10 Plusの人物作例は、確かに顔の陰影がくっきりと出ており、スマホで撮影したとは思えないクオリティーだと感じた。
フォトグラファーの舞山秀一さんが撮影した人物作例。実際の写真データではないので分かりにくいが、肌の陰影がしっかりと出ているまた、このポートレートモードでは、被写体の背景を自然にぼかす「芸術的効果」も加えられる。薄暗い環境で、フォトライトを使わなくても、肌つやがよく明るく撮影できるのもポートレートモードの特徴。さまざまな環境で、人物を印象的に捉えたいという人にP10/P10 Plusは特にオススメだ。
インカメラの画素数はP9やMate 9と同じ800万画素だが、P10/P10 Plusではインカメラもライカの品質にグレードアップ。従来機よりも2倍光を取り込むことで、薄暗い環境でもより明るく撮影できるようになる。セルフィーを多用する人にはうれしい進化だ。
F1.9でさらに明るくなったインカメラを搭載iPhoneと作例を比較。iPhoneの方が健康的な肌色に感じられるが、背景も含めて明るく写せているのはP10カメラは実際に撮影し、PCで画像を見ないと最終的な評価はできないが、P9やMate 9のカメラ品質が高かっただけに、P10/P10 Plusも期待せずにはいられない。
P9では日本での発売が見送られた「Plus」がP10で採用されたのはうれしい限り。最近は日本でも5.5型以上のスマホが増えており、そうしたユーザーからの乗り換えも期待できそう。筆者も5.5型の「iPhone 7 Plus」を使っているが、5.1型のP10だと物足りなく感じてしまう。P10 Plusの幅はiPhone 7 Plusの77.9mmより細い74.2mmなので、むしろ7 Plusよりも快適に使えるだろう。
何よりP10シリーズでは、P10 Plusのみ、よりグレードの高いライカのレンズ「SUMMILUX-H」を採用しており、より高い画質を追求するならP10 Plusを選ぶしかない。
2機種の市場想定価格はP10が6万5800円(税別、以下同)、P10 Plusが7万2800円。P9の5万9800円、Mate 9の6万800円と比べると「ちょっと高いかな?」というのが正直な感想だ。特にP10はMate 9と同じプロセッサ、メモリ、ストレージを搭載していて、画面サイズはMate 9(5.9型)より小さい(5.1型)。カメラの進化とディスプレイの差をトレードオフと考えれば、Mate 9と同じくらいの価格にはしてほしかった。
ただしMVNOによっては、P10は5万円台半ば〜の価格で購入できる。P10 Plusも7万円台とそこそこ高いが、こちらもMVNOのキャンペーンを適用すれば、6万円台前半から購入できる。各MVNOの価格をチェックしておこう(関連記事)。
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