HUAWEI P9には、2つのレンズと2つの画像センサーが搭載されています。画像センサーは1つがモノクロで、もう1つがカラーで……、っていうことは、本誌の読者の皆さんならご存知でしょう。
筆者が最近、意識的に使っているのが「モノクロ」モードです。「ライカ」ブランドを冠したモデルですから、奥行き感があるモノクロ写真が撮れることは知っていました。でも、ほとんど使うことはなかったんですよ。
自分でフィルムを選んだアナログカメラの時代とは異なり、デジタルカメラの時代になって、写真はカラーがデフォルトになったように感じています。プロのカメラマンでも、デジカメでモノクロ写真を撮ることは少なく、モノクロを撮る際は、あえてフィルムカメラを使っている方が多いのではないかと。ましてや素人の筆者がモノクロを撮る必然性はなく、「カラーで撮っておけば、画像編集でモノクロに変えられるし」てな感覚でいました。
でもね、P9の「モノクロ」モードで撮ってみると、編集でモノクロにした写真とは、明らかに違うんですよ。濃淡がきれいに表現され、コントラストもはっきり。そこらへんの当たり前の光景を撮影しても、どことなくアーティスティックな雰囲気になったり……。
「モノクロ」でオートで撮影した写真「写真(カラー)」でオートで撮影し、画像編集で「モノクロ」にした写真カラーで撮ったことがある風景も、モノクロで撮ると印象が変わるというわけで、最近は、主に“2度目の旅”で「モノクロ」モードを活用しています。最初の旅では、やはりカラーで撮りたいじゃないですか。2度目の旅では「風景は前に来た時に撮ったからいいや」と思い、あとで振り返ると、料理の写真ばかりだったりしませんか? ならば、最初に旅とは異なるテーマで撮ってみようかと。
筆者は今、Mobile World Congressの取材のために、バロセロナに来ています。出張とプライベートを合わせて4度目の訪問です。仕事での必然性がある撮影を除けば、さすがにシャッターを切る回数は減りました。ですが、今回の滞在では、HUAWEI P9で、あえて「モノクロ」で撮影しています。いい感じで撮れるんです。カラーで撮るよりも風情が出たり、カラーでは撮ろうとは思わないものにレンズを向けていたり、写真を撮るマインドというか意識も変わるんですよね。
空と樹木だけでも格好の被写体になる何でもいい感じで撮れるので、ついついシャッターを押してしまうHUAWEI P9は「モノクロ」にしても、「PRO」(マニュアル)モードにして、露出やISO感度、フォーカスなどを調整できるんですよ。筆者は50代なので、若い時分はフィルムカメラを使っていましたが、ライカを使ったことはなかったし、モノクロで撮る際に、フィルム選びにこだわった記憶もありません。まさか、この歳になって、スマホでモノクロ撮影にハマるとは……。というか、その頃は、スマホはなかったんですけどね(笑)。
「モノクロ」でもマニュアル設定が可能。だが、筆者はまだ使いこなせていないカラーで撮った写真は、指定した色だけを残す「スプラッシュ」という編集も楽しめる。モノクロで撮った写真は、こういう遊びはできないで、上手に使い分けるのがオススメ右がHUAWEI P9、左がHUAWEI P10ちなみに、こちらでファーウェイのプレスカンファレンスを取材し、おみやげ(というか評価用の端末)として、HUAWEI P10をいただきました。P10は、ライカのレンズが第2世代へと進化し、モノクロセンサーの画素数も1200万画素から2000万画素に向上しています。いち早く、モノクロモードで撮り比べてみました。
ほとんど同じように見えますが、P10はより黒が締まって、きめ細やかさも若干アップしている印象。現在P9を使っている人は、買うとしたらP10 Plusかなぁというのが率直な感想です。