ソフトバンクから発売された、ライカ初のスマホ「Leitz Phone 1」を試しました。ライカがカメラを監修するシャープの「AQUOS R6」との主な違いは、外観を除くと、「ブライトフレーム」と呼ばれる独特の撮影範囲枠の表示などカメラの一部UIと、ライカらしいモノクロ撮影ができる「Leitz Looks」モードが備わっていること。この「Leitz Looks」モードが気に入って、梅雨の合間を縫って写真を撮りまくりました。
「Leitz Phone 1」の「Leitz Looks」モードで撮影。モノクロというだけで意味ありげに見えるのは筆者だけでしょうか今やスマホとアプリさえあればどんな写真加工も思いのまま。そんな「後からなんぼでもいじれる」時代に敢えて最初からモノクロで撮るところに、なんとも言えない満足感があり、久々に撮影がとても楽しかったです。そういえば、ライカと協業してカラーとモノクロの2眼レンズを搭載した「HUAWEI P9」が発売された当初も、同じようにモノクロ写真に夢中になったのを思い出します。何を撮ってもそれなりにエモい感じになるのは、やっぱりライカ。特にモノクロだと、なんでもないスナップ写真もアートっぽい感じになるから不思議です。もちろん錯覚以外の何者でもないのですが、ちょっとしたカメラマン気分というか、自分の写真の腕が上達したような気分になってしまいます。
モノクロ写真とはちょっと違いますが、筆者所有の「motorola razr 5G」にも、実は「スポットカラー」という、簡単にアーティスティックな写真が撮れる撮影モードが備わっています。撮影時にフレーム内の特定の色を選択すると、その色だけカラーで残し、あとはモノクロになった写真が撮れるというもの。アプリで同様の加工ができるものはありますが、撮影時に敢えて色を選ぶスタイルがモノクロ写真と同様、1枚1枚と向き合う感じでとても楽しいです。スマホによってはこうしたフィルタ機能を撮ったあとから再編集できるものもありますが、「スポットカラー」にはそのようなあとから再度いじれる機能がありません。その場限りの一発勝負的なところも個人的にはとても気に入っています。
残す色を選んでタップすると、ほかの色がモノクロに。スライダーで色の濃度なども調整できますカラーで撮ったスナップ写真と、同じ風景を「スポットカラー」モードで撮影したもの。たとえば花を撮る場合も、そこに複数の花があるときはどの色を残すか結構考えます。「スポットカラー」は特定の被写体ではなく、色を残すしくみなので、選択した花の色と同じ系統の色がほかの花にもあった場合、そこにも色が残ります。どの色を残したらより印象的になるか、考えて撮る感じが楽しいです。
なお「motorola razr 5G」では、標準のギャラリーアプリがGoogleフォトになっていて、編集機能も充実しています。「スポットカラー」のやり直しはできませんが、色の調整やフィルタなど様々な追加編集が可能です。またGoogleフォトなので、写真のリンクを作成して共有するといったことが簡単にできる点も、便利だと感じているところ。6月からGoogleフォトのポリシーが変更になり、バックアップが無制限ではなくなってしまったのはとても残念ですが、それでもiPhoneを含めてどのスマホからも写真を自動バックアップでき、ひとまとめにしておけるのは大きなメリットです。
「Leitz Phone 1」は、レンズやそのセンサーサイズ、ライカならではの絵作りも含めて、カメラとして見ても大変魅力的なスマホです。一方でGoogleフォトとシームレスな「motorola razr 5G」のカメラも、「スポットカラー」のようなモードもあってなかなか楽しめると思います。スマホの写真は気軽に撮れる分、つい撮りっぱなしになってしまうことが多いですが、「Leitz Looks」や「スポットカラー」のような撮影モードがあると、写真の楽しみ方が広がると感じています。