3月5日にソフトバンクが5G商用サービスを発表し、3月27日からのサービス開始を明らかにしたことで、いよいよ国内でも5Gサービスがスタートするが、ユーザーとして、気になるのは、やはり、5G対応端末の存在だ。国内市場向けにはすでにシャープやソニーが端末を発表し、サムスンも5G対応のGalaxy S20シリーズを準備中とされる。ソフトバンクのラインアップにはZTEやOPPOの名前もあり、ユーザーの選択肢は意外に広くなりそうな雰囲気だ。
そんな中、これまでオープン市場だけでなく、各携帯電話会社向けにも数多くの端末を供給してきたファーウェイが国内向け5G対応端末第一弾として、「HUAWEI Mate30 Pro 5G」を発表した。ファーウェイは昨年来、すでに5Gサービスを開始した中国をはじめ、世界各国向けに8機種の5G対応スマートフォンをリリースしており、2019年中にグローバル市場向けに690万台、今年1月までに1000万台を出荷した実績を持つ。
今回発表されたHUAWEI Mate30 Pro 5Gは、昨年9月にドイツ・ミュンヘンで開催されたイベントでグローバル市場向けに発表されたモデルで、昨年11月の段階で、国内市場向けには5Gサービス開始時に合わせて投入することが予告されていた。
連載法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」
フラッグシップモデルを「Rethink」したHUAWEI Mate30シリーズ
インタビュー
ファーウェイ呉波氏、「Androidを優先する。Mate 30は5Gにあわせる」
ただ、ひとつ予想外だったのは今回発表されたHUAWEI Mate30 Pro 5Gが国内のオープン市場向けのSIMフリー端末であることだろう。ファーウェイはこれまでも国内のオープン市場向けに数多くのSIMフリー端末を投入してきたが、5Gサービスは各携帯電話会社のネットワークに接続する調整が必要とされるため、当初は各携帯電話会社向けのモデルとして、採用されると見られていた。しかし、昨年5月に米中貿易摩擦の影響を受け、米商務省のエンティティリストに掲載されたことで、アメリカに関連する企業との取引が制限され、一時は国内でも販売が見合わされることになった。
その後、NTTドコモ向けの「HUAWEI P30 Pro」をはじめ、au向けやソフトバンク向けのモデルも相次いで販売が開始されたものの、今度は昨年5月の取引制限以降にグローバル市場向けに発表されたモデルは、Googleの各サービスに対応することが制限されることになってしまった。昨年12月に国内向けに発売された「HUAWEI nova 5T」は、昨年5月以前にグローバル向けに発売されたモデルをベースにしていたため、Googleのサービスが利用できたが、2020年以降はどのような仕様の端末を国内市場に投入するのかが注目を集めていた。
連載法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」
「HUAWEI nova 5T」はフラッグシップのDNAを継承したスマートフォン
今回発表されたHUAWEI Mate30 Pro 5Gは、Googleサービスを利用するための「GMS(Google Mobile Service)」に代わり、ファーウェイが中国をはじめ、世界各国で展開をスタートさせた「HMS(Huawei Mobile Service)」を搭載した端末として、リリースされた。詳細は後述するが、プラットフォームとしてはこれまでと同じAndroidプラットフォームを採用しているものの、利用できるアプリやサービスなどが大きく異なる製品となっている。とは言うものの、ディスプレイやカメラ、チップセットをはじめとするハードウェアはかなりのハイスペックであり、ライバル製品と真っ向勝負ができるハイエンドモデルとなっている。
市場想定価格は12万8800円(税抜)。販売はヨドバシカメラマルチメディアAkiba/梅田/横浜、ビックロ ビックカメラ新宿東口店のファーウェイ・ショップ、ファーウェイ楽天市場店、ファーウェイPayPayモール店で扱われ、発売は4月中旬を予定している。また、100名限定の先行販売も行なわれる。申し込みは3月16日(月)から3月25日(水)までで、3月28日(土)~3月30日(月)にファーウェイカスタマーサービスセンターの東京・銀座店、4月4日(土)から4月6日(月)に同センター大阪・梅田店での受け渡される。
今回は各社の5Gネットワークがまだサービスインしていないため、通常の4G LTEのネットワークでの試用になった点をご理解いただきたい。