既報の通り、ソニーのウォークマン「NW-ZX500」シリーズと「NW-A100」シリーズがファームウェアアップデートにより、「Amazon Music HD」のハイレゾ再生に対応した。
NW-ZX500
従来は「W. ミュージック」を使用して再生する場合はPCMで最大384kHz/32bitの再生が可能だったが、「Amazon Music」のような他社のストリーミング再生用アプリの場合には、仮にAmazon Music HDに契約していても、最大48kHz/16bitの品質に落として再生されていた。
実はこれ、ハイレゾ再生が可能なAndroid搭載デジタルオーディオプレーヤー(DAP)でも事情は同じだ。これはなぜかというと、Androidの音楽再生の仕組みに関係がある。
その前に簡単に「ハイレゾ対応ウォークマンが、どんなOSを搭載してきたか」の変遷を辿ってみよう。S-Master HXを搭載したソニー製ハイレゾDAPの嚆矢とも言える「NW-ZX1」(2014年)は、Androidを搭載していたが、これが「NW-WM1」(2016年)あたりの機種から独自OSに変わった。それが昨年の「NW-ZX500」「NW-A100」で、またAndroidに戻っている。
NW-ZX1
NW-WM1A
これはどういうことだろう。Androidにした方が、「Spotify」を始めとした多様なアプリをインストールすることが可能で、ストリーミング時代に適しているからだ。
ただしAndroidは重いので、音質的には不利になってしまう。高音質を志向していた「NW-WM1」では、他社デジタルオーディオプレーヤー(DAP)との性能競争もあって、いったんAndroidを捨てたのだが、最近の音源はストリーミング中心となってきたので、やはりAndroidに戻したのだろう。
しかしながら、Androidを使う限りはAndroid OSの制限を受けてしまう。それが最大48kHz/16bitの出力制限だ。これは以前に、Windowsの「WASAPI排他モード」の解説で書いたことにも似ている。
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