MateBook 13 VS MacBook Air、MateBook 13の勝ち。
MacBook Airと性能、デザイン、使い勝手で真っ向から勝負をかけてきたMateBook 13、米GizmodoのSam Rutherfordがレビューをしています。バッテリー寿命は残念だけど、他の性能ではMacBook Airに勝っているとのこと。Windowsに乗り換え検討していた人には朗報ですね。
HUAWEI(ファーウェイ)は昨年、MateBook X ProでAppleに大きな争いをしかけてきました。MacBook Proシリーズが持っている特徴を体現しつつも、Touch Barやバタフライキーボードといったギミック感のある特徴は無視する、という「研ぎ澄まされた狙い」のもと作られたラップトップでした。
そして2019年に入り、HUAWEIはメインストリーム向けの新しい13インチラップトップをリリースします。これは最近アップグレードされたMacBook Airに対する宣戦布告ですね。いくつかの短所はあるけれど、MateBook 13はMacBook Airと比べても極めて多くの点で勝っている仕上がりになっています。
HUAWEI MateBook 13
これは何?:13インチのWindows搭載MacBook Air競合プロダクト
価格:i5モデルが1000ドル、i7とMX 150 GPU搭載モデルが1300ドル
良い点:しっかりとした、アルミニウムのユニボディ。良い値段。良いキーボード。指紋リーダーと電源ボタンのコンボ機能。Ethernetとポートを追加できる無料アダプタ付き。
良くない点:バッテリー寿命は平凡。バリエーションは2つのみ。
パッと見て、MateBook 13のインスピレーション元がMacBook Airであることは一目瞭然です。クローンと呼いいでもいいかも。しかし、クローンだとしてもかなり良いクローンです。良質に仕上げられたユニボディのアルミニウムフレーム、厚さはなんと0.59インチ(1.49cm)となっており、これはMacBook Airと比べても0.5ミリほど薄くなっています。でもMacBook Airの徐々に細くなるデザインとは違うので、手に持ったときには特にこの差は感じられません。
MacBook Air同様、MateBook 13も2つのUSB-Cポートを搭載しています。しかしThunderbolt 3はありません。その代わりに左側のポートがデータと充電用となっているようです。右側がデータとビデオ出力です。この仕様によって失われている互換性を補うために、HUAWEIは無料でMateBook Dock 2を同封しています。これを使うことでVGA、USB-A、追加のUSB-C、そしてEthernetを足すことができます。
Appleのアプローチとの違いは少しずつ姿を現します。まずはキーボードとスクリーンです。固くて浅いMacBookのキーを再現するのではなく、MateBook 13はスタンダードなチクレット式キーボード。打った時の深さ、跳ね返りを十分に提供してくれ、指の疲れも心配無しです。キーボードの右上には指紋リーダーを搭載した電源ボタンがかっこよく収まっています。ラップトップの電源を入れて、Windowsにログインする、という作業がワンタッチでできるんですね。
その一方で、MateBook 13のスクリーン(2160 x 1440)はMacBook Airのレティナ・ディスプレイ(2560 x 1600)と比べると若干低い解像度となっています。その代わりにタッチ対応。これは今でもMacBookのどれも搭載できていない機能となっています。
明るさや発色の点で失望してしまうのでは...と私は心配していましたが、1週間使用してみたところ特に不満は無いです。実際、300ニットの明るさであるとスペック表に記載されているものの、我々のレビューで使用した製品は356ニットのピーク性能を見せました。これはMacBook Airのテストで得られた明るさ(327ニット)と比べると、だいたい10%明るいです。とは言え、最適なパフォーマンスのためにはアンビエント・ブライトネス機能をオンにするのがベストでしょう。明るい部屋や太陽光が入ってくる部屋なら、見やすさが改善されます。
上位機種であるMateBook X Proのスクリーンが14インチでしたが、それと比べると13インチであるMateBook 13は少し持ち運びやすいです。とはいえサイズの違いはそれほど大きいものではなく、カバンに入れるならこっち、と判断するほどじゃありません。でも飛行機での移動中に仕事をすることが多いユーザーなら、少し小さい13インチの方が快適さは少し増えるでしょう。アスペクト比はX Proと同様に3:2。MacBook Airの16:9や16:10スクリーンと比べてタテが高い比率になっていることは、仕事の生産性にプラスでしょう。
しかしMacBook Airと比べてもっともポイントが高いのはそのパフォーマンス。MacBook AirはIntelのCore i5 CPU(デュアルコア)ですけど、HUAWEIのマシンはそれよりも早いCore i5もしくはCore i7(クアッドコアチップ)を搭載しています。そのため、ちょっとした動画編集などが必要な人にはMateBookのほうが良いと言えます。
1300ドルのCore i7モデルにはNvidia MX 150 GPUが搭載されており、ちょっとしたゲームも可能です。『オーバーウォッチ』を1920 x 1080でプレイした時にはグラフィックスはハイ設定、レンダースケールは100に設定して50~55fpsの平均値が得られました。素晴らしいパフォーマンス、とは言えませんが、少し設定をいじるだけで時間つぶしのゲームにも使えるマシーンなわけです。
残念なのは、これらの性能を達成するためにMateBook 13はバッテリー寿命を犠牲にしていることです。HUAWEIの発表によるとMateBook 13は一度の充電で10時間稼働できるとのことですが、編集部のビデオ再生テストでは8時間9分の稼働時間となりました。これは特に悪くもないですが、素晴らしいバッテリー性能でもありません。MacBook Air(9時間16分)と比べると約1時間ほど短いです。
バッテリー寿命が比較的短いことの一点で、やっぱりMacBook Airがいい、と思ってしまう人もいるかもしれませんが、全体的な性能を比べてみるとやはり冒頭の結論に至ります。Core i5 CPU、RAMが8GB、SSDが256GBで1000ドルという値段は性能やストレージという点でもっと劣るMacBook Airのベースラインと比べても200ドルほど安い価格です。他のWindows機と比べても同様なんです。新しいDell XPS 13はほぼ同等のスペックでありながら、MateBook 13よりも約200ドルほど高くなっています。しかしDellのXPS 13は900ドルでi3 CPUで4GBのRAMというHUAWEIもかなわない安価なプロダクトを出していることは言及しておきたいと思います。
またHUAWEIのスマートフォンと違って、MateBook 13は通販サイトを通してアメリカでも購入できます(数週間後にはMicrosoftストアでも購入可能になる予定です)。MateBook X Proにはたくさんの需要が集まったものの、生産がようやく追いついたということで、リテーラーで在庫がなくなるという問題もなさそうです。
MateBook 13は豪華なマシーンではありません。MacBook AirやXPS 13が抱えるようなブランドアピールやシステムの幅も持っていません。しかし良質に作り上げられ、良い機能を搭載しており、ポータブルのラップトップはこうであるべき、という視点を斬新なくらい実直に追求したマシンとなっています。そして1000ドルという価格で、ドル当たりの価値という意味では非常に良い商品となっています。
・稼働時間は8時間ちょっと。Core i7機の最大の短所としてはその平凡なバッテリー寿命でしょう。
・左側のUSB-Cポートのみがデータ転送と充電に使えます。右側はデータとDisplayPort経由のビデオ出力のみの対応。
・MacBook AirとDell XPS 13と比べると、MateBook 13は安く、2つよりも良い価値は高いでしょう。
・1000ドルのi5モデルはミスティック・シルバー。1300ドルのi7モデル(Nvidia MX 150グラフィックス付)は少しダークなスペース・グレイの仕上がりとなっています。
Windows 10、13インチ(3:2) 2160 x 1440 LCDタッチスクリーン、Intel Core i5-8265U CPU(統合グラフィックス)、8GB RAM、256GB SSD、もしくはIntel Core i7-8565U CPU(Nvidia MX 150 GPU)、8GB RAM、512GB SSD
指紋リーダー兼電源ボタン、3.5mmジャック、USB-Cポートが2つ、802.11 a/b/g/n/ac wi-fi、100万画素前面カメラ、Bluetooth 5.0、キーボード・バックライト、41.7 Whバッテリー、11.26 x 8.31 x 0.59 インチ、2.82ポンド(重量)
訂正[2019/02/05]誤字を修正しました。