中国ファーウェイが提唱するスマートフォン向けのOS。同社では、スマートフォンだけでなく、スマートホーム製品などのICT機器を統合して管理・コントロールするための共通基盤としていく考えだ。
中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)は、2019年5月の米国による制裁を受け、米グーグルの「Android」をOSとして採用できなくなった。このためAndroidの代わりとしてファーウェイが開発したのが「HarmonyOS」だ。
このHarmonyOSについて、ファーウェイでは単にスマートフォンやタブレット向けのOSにとどまるものではないとしている。スマートウオッチやスマートホーム対応家電などのICT機器を統合して管理・コントロールするための共通基盤としていく考えだ。
HarmonyOSではスマートフォンのウィジェットを使うことで、直感的な操作で対応製品同士をワイヤレスで接続でき、各機器間でデータや機能を相互に利用可能という。例えば、対応する調理家電が、健康管理アプリのデータに基づいてレシピを提案するなどの使い方が想定される。
また、これまでスマートフォンやタブレットで個別に行っていた作業が、HarmonyOSでは機器をまたいで途切れなく作業できるようになるという。例えば、スマートフォンでプレイ中のゲームをスワイプ操作でタブレットに転送し、より大きな画面で続きを楽しむといった使い方ができる。
2021年6月2日に中国で発表された最新の「HarmonyOS 2」に合わせて、同OSを搭載したスマートフォンとタブレットも登場した。さらに、同社が過去に発売したAndroidを搭載する約100製品についても、HarmonyOSへのアップデートを開始。アップデートされた端末は1週間で1000万台を超えたという。
中国ファーウェイが6月に発表した「HarmonyOS 2」。スマートフォンやタブレットを家電製品やICT機器などと連携する機能を搭載している[画像のクリックで拡大表示]ファーウェイでは、HarmonyOSとAndroidとの互換性について明らかにはしていない。しかし、AndroidからHarmonyOSへアップデートしたスマートフォンでは、すでにインストールされていた多くのAndroidアプリが問題なく動作しているという報告もあり、互換性は高いようだ。