Googleは、2021年に予定している「Google マップ」の機能改善について、iOS/Android用アプリにAIを活用した新たな機能を複数導入すると発表した。
空港や駅、ショッピングモールなどにおいて、スマホのカメラで写したライブビュー映像にARでナビ情報を重ねて表示する機能が利用可能になる。
AIが数百億枚というストリートビュー画像をスキャンし、ユーザーの向きを認識するグローバルローカリゼーション技術によって実現。最寄りのエレベーターやエスカレーター、ゲート、チケット売場、トイレなどをライブビューで見つけられるという。店舗の階数やそこへの行き方も確認できるとのこと。
米国の複数の都市にあるショッピングモールで既に利用可能になっており、今後数カ月以内に、東京とチューリッヒの一部の空港、ショッピングモール、交通機関で展開。さらに多くの都市でも進行しているという。
新たに気象レイヤーを追加し、Google マップで天気予報を確認できるようになるほか、大気質(空気のきれいさ)に関するレイヤーも追加。パートナー企業からのデータを活用するもので、今後数カ月以内にiOS/Android用アプリで利用できるようになる。天気予報はグロ−バルに利用可能になり、大気質についてはオーストラリア、インド、米国から提供開始し、今後さらに多くの国に拡大するという。
ナビ機能には、二酸化炭素(CO2)の排出量が少ないルートを提案する機能を実装する。Googleでは道路の傾斜や渋滞状況などの要因に基づき、燃料消費量の削減を最適化する新しいルーティングモデルを構築。たとえば、最速ルートとほぼ同じ時間に到着する場合、デフォルトでCO2排出量が最も少ない“環境にやさしいルート”を選択するようになる。
こうしたルートで到着にかかる時間が大幅に増加する可能性がある場合は、ルート間の相対的なCO2の影響を比較してどのルートを行くか選べるようにする。常に最速ルートが必要な場合は、設定を変更することもできるという。この機能は、2021年後半に米国でiOS/Android用アプリ向けに提供し、順次グローバルに展開する。
このほか、目的地までのルートで利用できるすべての交通手段の包括的なビュー表示にも対応。タブを切り替えずに、車や各種交通機関、自転車でそこに到達するのにかかる時間を比較できるという。機械学習によってユーザーがよく使う交通手段を提案するようになり(たくさん自転車に乗る場合は、自動的にさらに多くの自転車ルートが表示される)、ニューヨークやロンドン、東京といった地下鉄がよく使われる都市ではそのモードがナビ提案の上位に来るという。これらは今後数カ月以内にiOS/Android用アプリでグローバルに展開する。