米Microsoftは8月18日(現地時間)、サーバーOS「Windows Server 2022」を一般公開した。セキュリティの向上、Azureハイブリッド機能の改善、アプリケーションプラットフォームとしての役割強化が図られている。
「Windows Server 2022」は、「Windows Server 2019」に続く「Windows Server」の長期サービスチャネル(LTSC)。メインストリームサポートは2026年10月13日まで、延長サポートは2031年10月14日まで提供される。
同社は「Secured-Core PC」と呼ばれる取り組みをPCで行っているが、「Windows Server 2022」ではこれがサーバーにも展開される(Secured-core server)。これはサーバーを構成する一連のハードウェア、ファームウェアおよびドライバーが正規のOEMによって提供されていることを保証するとともに、「TPM 2.0」による保護、ファームウェアの保護、仮想化ベースのセキュリティ(VBS)などを組み合わせて運用することで、高度な脅威に対する多層防御を提供したものだ。攻撃者がシステムを悪用するのに利用する可能性のあるパスをあらかじめ防御したり、攻撃者を混乱させる予防的防御機能も備わってる。
また、接続の安全性も一段階引き上げられる。「Windows Server 2022」ではHTTPSとTLS 1.3がデフォルトで有効化されるほか、Secure DNS、SMBのAES-256暗号化、SMB over QUIC、SMB圧縮といった技術がサポートされる。
そのほかにも、Windows コンテナーを強化。イメージサイズを最大40%削減することによる起動時間の30%短縮や、パフォーマンスの向上といった改善が行われた。Intel Ice Lakeプロセッサーのサポートにより、最大48TBのメモリと64個の物理ソケット、2,048個の論理コアを必要とするビジネスクリティカルで大規模なアプリケーション(SQL Serverなど)にも対応する。また、AMDプロセッサーでもネストされた仮想化がサポートされ、ハードウェアの選択肢が増えた。
なお、標準Webブラウザーは「Chromium」ベースの新しい「Microsoft Edge」となる。「Windows Server 2022」で削除される機能、非推奨となる機能については、下記のドキュメントサイトを参照のこと。
「Windows Server 2022」は現在、「Volume Licensing Service Center」(VLSC)などから入手可能。180日間試用できる評価版も「Microsoft Evaluation Center」で提供中だ。
評価版のインストール画面評価版のデスクトップ[2021年9月3日編集部追記]Microsoftは9月1日、S「Windows Server 2022」を一般公開したことを正式に発表した。価格も発表されており、最大25人のユーザー、50台のデバイスで使える最安の「Essentials」エディションの価格は501米ドル。