住所の番地や電話番号などの数字は、全角で入力する場合と半角で入力する場合がありますよね。複数の作業者が更新を重ねていくうちに、全角文字と半角文字が混在してしまうことは多いのではないでしょうか。
全角文字と半角文字が混在していると見た目も美しくないですし、文字列を検索する際に、思い通りにヒットしないこともあります。また、他のソフトウェアで使用することになった場合などは、表記が統一されていたほうが使いやすいでしょう。
文字列の全角・半角を統一したいと思った時に、1つ1つ手入力で修正するのは時間の無駄です。Excelの関数(JIS/ASC関数)を使えば、文字列を簡単に全角・半角に統一することができるからです。
今回解説する関数のうち、ASC関数は文字列を半角に変換する関数で、JIS関数は文字列を全角に変換する関数です。では実際に使い方を見ていきましょう。
会員名簿の例で考えてみましょう。F列の「番地」欄と、G列の「マンション・部屋番号」欄には、全角文字と半角文字が混じって入力されています(①)。
この名簿のF列に入力された番地に対して、ASC関数を使って、半角に統一してみましょう(セルF3とセルF5には全角文字(②)、その他のセルには半角文字が入力されています)。
最初に、変換後の文字列を表示するための新しいセル(列)(③)を準備します。
作成したG列にASC関数を使って入力していきます。冒頭で少し触れたように、ASC関数は文字列を半角に変換する関数で、「=ASC(文字列)」という書式で記述します。
セルF3には「1234-X」(④)と全角で入力されているので、これを半角に変換してセルG3に表示してみます(⑤)。
では実際に、セルG3に「=ASC(F3)」(⑥)と入力します。
[Enter]キーを押して数式が確定されると、文字列が半角に変換されます(⑦)。
オートフィル機能を使って、G列の他のセルにも数式をコピー(⑧)します。
F列の文字列がすべて半角に変換されてG列に表示されました(⑨)。
前項では、全角の文字列を半角に変換する方法を解説しました。ただし今の状態では、G列のセル(例えばセルG3)には「=ASC(F3)」(①)のような数式が入力されています。
このままだと、G列のセルを別のセルなどにコピーした時、数式がそのままコピーされてしまいます。また、G列の数式が参照しているF列のセルが削除されると、エラーになってしまいます。
そこで、この項では、もうひと手間かけて、「=ASC(F3)」のような数式を「1234-X」のような文字列に変換する方法を解説します。
変換後の列を表示するための新しいセル(列)(②)を準備します。
G列の列見出しをクリックしてG列全体を選択し(③)、[Ctrl]+[C]キーを押してコピーします(④)。
H列の列見出しを右クリックして(⑤)、表示されるメニューの[貼り付けのオプション]から[値](⑥)を選択します。
G列のデータがH列に貼り付けられました。ぱっと見ただけでは、違いはわかりづらいですが、H列のセル(例えばセルH3)を選択すると、「1234-X」(⑦)という文字列になっていますね。これで「=ASC(F3)」という数式が「1234-X」という値に変換されました。
不要な列を削除し、列見出しを入力して、「番地」欄は完成です(⑧)。
同様にして、JIS関数を使って全角・半角文字の混じった「マンション・部屋番号」欄を全角に統一することもできます。
また日本語に限らず、英字の大文字を小文字に変換したり、その逆に小文字から大文字に変換したりすることもできます。
LOWER関数は英字を小文字に変換する関数で、UPPER関数は英字を大文字に変換する関数です。また、PROPER関数を使うと、単語の先頭の文字のみを大文字にして、残りは小文字に変換されます。
今回は、ASC関数を使って、文字列を半角に変換する方法を解説しました。また、併せてJIS関数やその他の文字列操作の関数も紹介しました。
見やすい資料や使い勝手のよいデータを作成するために活用できる時短テクです。ぜひ使ってみてくださいね。