ASCII.jp KDDIが月5000円の「エリア定額乗り放題サービス」でモビリティーサービスを共同で提供

ASCII.jp KDDIが月5000円の「エリア定額乗り放題サービス」でモビリティーサービスを共同で提供

  • 沿って huawei
  • 27/02/2023

12月22日、KDDIはWILLERと共同で、2022年1月よりエリア定額乗り放題サービス「mobi」を提供すると発表した。

WILLERはバスの運行をベースに、MaaS事業に熱心に取り組む会社だ。2021年6月よりエリア回遊型移動サービス「mobi」をスタート。そうしたWILLERの取り組みに賛同したKDDIが、同サービスの運営に合流したというのが今回の発表であった。KDDIは「通信事業者としてデジタルを活用した地方創生に取り組んできました。社会のデジタル化にともない、移動の在り方が変わる中で、KDDIは“移動を、感動に変えてゆく”のコンセプトのもと、モビリティーを活用し、地域の暮らしをつないでゆきます」と説明する。2社は合弁会社「Community Mobility株式会社」を設立し、2022年4月から同社が事業を担い、全国展開を目指すという。

KDDI 代表取締役社長 髙橋 誠氏

KDDI 執行役員 事業創造本部長 松田浩路氏

WILLER 代表取締役 村瀨茂高氏

では、2社が提供する「mobi」とは、どのようなサービスなのか。

具体的に言えば、半径2㎞ほどの限定エリア内に150~200ほどの乗降ポイントを設定。そのポイント間を小型の乗合バス(ミニバンなど)を走らせる。ユーザーは、スマートフォンアプリや電話でリクエストを行なう。ルートや配車はAIが計算し、運転は専用のドライバーが担う。費用は月額5000円を基本とした乗り放題。つまりサブスクリプション方式だ。また1回乗降プラン(大人300円/小学生以下150円)も用意する。

すでに同サービスは、東京都渋谷区、愛知県名古屋市千種区、京都府丹後市で実施されており、東京都豊島区でも2022年中のサービス導入を予定。さらに北海道から九州まで、全国22エリアでの展開も予定されている。

「mobi」の利点は数多い。まずアプリでリクエストできて、利用ごとの決済は必要なしという簡便さがある。さらに半径2㎞圏内に200ヵ所の乗降ポイントということは、ざっと計算すると半径約140mのエリアに1つの乗降ポイントがあることになる。半径2㎞は、だいたい徒歩30分ほどのエリア。そこの140mごとに乗降ポイントがあるというのは非常に使いやすいのではないだろうか。

ASCII.jp KDDIが月5000円の「エリア定額乗り放題サービス」でモビリティーサービスを共同で提供

ゲストで登壇した関根 勤さん

同じくゲストの安田美沙子さん

また、料金は大人1人が月額5000円だが、2人目の大人は500円、3人目の子どもは500円で、「家族3人6000円」という家族プランも用意されている。家族3人で月額6000円というプランは割安感がある。そうでなくても、通勤や買い物など、毎日のように利用するのであれば、月額5000~6000円は高くはないだろう。

従来あるバス通りから離れた場所や駐車場のない店舗への買い物、毎朝の自宅から駅までの送迎利用、お酒を提供する店での会食の足としての利用、免許を返上した高齢者、塾などに通う子供など、非常に多くの活用が期待できる。都市部から郊外エリアのどちらにも便利に使えそうなサービスだ。

サービス導入から半年ほどしかたっていないが、それでも「運用エリア全体の人の移動総量が増えた」という傾向が見られるという。

また、将来的にはKDDIの持つビッグデータ(携帯端末を所有する人の移動データ)や、全国2300店超のauショップを活用した新サービス創造なども検討しているという。

今回の発表では、「mobi」とキッザニアとの連携、スマートフォンアプリで複数の交通サービスの予約・決済が可能な「au Moves」の同日サービス開始も発表された。

KDDIとWILLERによる新しい交通サービスは、いわゆる「ライドシェア」や「MaaS」だ。しかし、そんな流行のカタカナ英語ではなく「定額乗り放題」という身近なキャッチコピーを使うところに、地に足の着いたリアルさ、本気度が感じられる。全国展開は時間がかかるかもしれないが、その分、一歩一歩、着実に広がってゆくのではないだろうか。

1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。

最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。毎月1回のSA/PAの食べ歩き取材を10年ほど継続中。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 自動車技術会会員 環境社会検定試験(ECO検定)。

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