前々回に紹介したドン・キホーテの2万円PCこと「MUGA ストイックPC KNW14FHD-SL」だが、前回もちょっと書いたように、RS3のインストールで回復不可能な状態になってしまった。今回は回復の過程で調べた同PC(以下MUGAとする)のファームウェアに関するレポートだ。
MUGAは、64bit UEFIをファームウェアとして装備しており、俗にBIOSエミュレーションなどと呼ばれる「CSM」(Compatible Support Module)を内蔵していない。しかし、UEFIシェルが組み込まれており、システムの状態をいろいろと調べることができた。
UEFIとは、現在ではUnified EFI Forumが管理するファームウェアで、IA-32やIA-64のほか、ARMプロセッサなどでも採用されているマルチプラットフォームのファームウェアだ。もともとEFI(Extensible Firmware Interface)としてインテルにより開発が進められていた。
というのも、PCアーキテクチャで利用していたBIOSは、初期のIBM PCのハードウェアや16bit CPUである8086/8088に依存しており、のちに開発されたIA-64のような64bit CPUには利用しにくいものであった。
そこでインテルは、プラットフォーム依存を減らしたファームウェアとしてEFIを開発、その後、開発責任をUnified EFI Forumへと移管し、この頃からUEFIと呼ばれるようになった。このため、UEFI関係の資料などでは今でもEFIという用語が残っていることがある。
MUGAは、64bitモード(ロングモード)で起動するUEFIを内蔵している。ただし、プレインストールマシンであることから、自作用マザーボードなどのようにBIOSとの互換性を撮るためのCSMをもたない。プレインストールマシンであり、このこと自体は別段、悪いことではないが、過去の経験などから、BIOSに対応したブートメディアなどを使おうとしても、MUGAでは起動させることができない。この点には注意しておいたほうがいいだろう。
もっとも最近のOSでは、LinuxなどでもUEFIへのインストールや起動をサポートしている。筆者もUbuntu 17.10をインストールしてみた。
Linuxのディストリビューションの1つUbuntu Ver.17.10をインストールしてみた。一部のデバイスは認識されなかったものの、最低限動作できる状態にはなった
無線LANとサウンドに一部不具合はあるものの、実用的なインストールは可能だった。具体的には無線LANは5GHz帯のIEEE802.11aが動作せず、またBluetoothとサウンドデバイスが認識されていなかった。しかし、グラフィックスやキーボード、タッチパッド、802.11b/g/nの無線LANは動作しており、最低限の使い方は可能だ。スリープもちゃんと動作しているようで、バッテリがあっという間になくなってしまうようなこともなかった。
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