入手してからここ数カ月試している「HUAWEI Mate 20 Pro」で気づいたのが、ファーウェイ独自の「EMUI」内に含まれるカメラの機能のひとつ「AI Vision」にカロリー表示があること。ショッピングや翻訳ができるのは、前回の記事で紹介したが、まさか食べ物のカロリーまで表示してくれるとは……。
(左)カメラを開くと、上部に機能アイコンが並ぶので、「AI Vision」をオンにする。(中)AI Visionに切り替わると、下部にモードアイコンが並ぶので「識別」をタップ。白いドットがふよふよと浮遊し、一生懸命識別しようとする。(右)残念。サーモンではなく、辛子明太子なのだ「ダイエットは明日から」ではなく、加齢とともに落ちにくくなった脂肪をなんとかしないといけない、と思い、ここ一年ほど食生活には気を遣ってきた。
とはいえ、自分の使っている食材にどれほどのカロリーがあり、合計でどのくらい、というところまで調べないので本当に気を遣っている人からすれば、お遊び程度になっている。「だって面倒くさがり屋だから、そんなことしたら続ける自信がないんだもの」。
出来合いのものであればパッケージに、外食であればメニューにカロリーが書いてあるので、それを参考に選んでいける。ただ、自炊の場合では食材のカロリーを知るにはWebで調べるしかない。いや、家庭科の教科書とともに購入した『食品の栄養とカロリー事典』のようなものが手元に残っていればまた別なのだが……。
そこで気づいた「AI Vision」。使い方は簡単で、カメラを開いてから左上に表示されているAI Visionのアイコンをタップし、下部に「QRコード」「翻訳」「ショッピング」「識別」のアイコンが並んでいるので「識別」を選ぶだけ。横持ちには対応していないので、Mate 20 Proを縦持ちした状態で調べたいものにカメラを向ければ、それが何であるか、また食べ物であればカロリーはどれぐらいあるのかを表示してくれる。
「ポットステッカー」と判断されたらしく、表示されたARのウィンドウをタップしたところポットステッカーの詳細情報を見ることができた。ちなみに、ポットステッカーとは餃子のことなお、本来の使いかたのように目の前にリアルにある料理にかざせば、より正しく判断してくれるかもしれないが、今回は撮りためた写真を読み込ませているため、多少判断が甘くなっているかもしれないことをご了承いただきたい。
表示されたARの吹き出しをタップすれば、詳細についての情報を得ることも可能だ。
どちらもAI Visionにとっては「スパゲッティ」。具材や調理方法のことは考慮していないようだただ、残念ながら分類が大雑把で、ノンオイルの冷製パスタとクリームこってりのカルボナーラではカロリー量が異なるはずなのに、どちらも「スパゲッティ 158kcal/100g」と表示されてしまう。茹で上がったパスタだけだと、100gあたり約150kcalなので、どうやら麺だけの情報を表示しているらしいのだが……。
また、データがそれほど集まっていないようで、同じ餃子でも「円盤餃子」を被写体にすると「ピザ」と判定されたり、チーズケーキを「トースター」「サンドウィッチ」と角度によって勘違いしてしまうことも。
どれも同じチーズケーキの写真だが、角度によって判定はさまざま。そしてなぜか最も遠い「サンドウィッチ」のカロリー表示が自信満々気味AIが機械学習によって賢くなるには、多くの画像を読み込ませることが必要なので、食べ物の画像をどんどん食べてもらおうと思う。
そうしていつの日か、かざせばどんな食べ物でもカロリーを表示してくれるようになり、面倒くさがり屋のダイエッターが救われるようになるのを期待したい。面倒臭がることをやめたほうが速いのかもしれないが。
「トンカツ」は一発で判別した。なぜ