今回ご紹介する「LG gram 13Z990-GA56J」は、ちょうど1年前の2018年2月にそのベースとなるモデルが発表されている。スペック的にはCore i3-7100U/4GB/SSD 128GB(13Z980-MR33J)とCore i5-8250U/4GBまたは8GB/SSD 256GB(13Z980-GR55J/13Z980-GA56J)。サイズ305.9×211.8×15.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量965g。見た目はほぼ同じだ。
当時としても薄くて、軽くて、長時間のバッテリ駆動……と驚きのモバイルノートPCとして仕上がっていた。
その後8月にCore i7-8550U/16GB/SSD 512GBに+Thunderbolt 3/指紋センサー対応のモデルも追加された(13Z980-NA77J)。いずれもプロセッサはKaby Lake Refreshとなる。
2019年モデルの変更点は、プロセッサがWhiskey Lakeになったことだ。Core i5モデルとCore i7モデルがあるが、届いたのは前者だ。おもな仕様は以下の通り。
LG「LG gram 13Z990-GA56J」の仕様 | |
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プロセッサ | Core i5-8265U(4コア8スレッド/1.6GHz~3.9GHz/キャッシュ 6MB/TDP 15W) |
メモリ | 8GB×1/DDR4-2400(最大16GB) |
ストレージ | M.2 SSD 256GB |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
ディスプレイ | 13.3型IPS式フルHD(1,920x1,080ドット)、光沢あり、タッチ非対応 |
グラフィックス | Intel UHD Graphics 620/HDMI×1、Type-C |
ネットワーク | IEEE 802.11ac対応、Bluetooth 5.0、Type-Cアダプタ式10Base-T/100Base-TX付属 |
インターフェイス | USB 3.1 Type-C(DisplayPort Alternate Mode)、USB 3.0×2、720p Webカメラ、MicroSDカードスロット、指紋センサー、キーボードバックライト、音声入出力 |
バッテリ/駆動時間 | 4セル 72WHr/約28時間 |
サイズ/重量 | 305.9×211.8×15.5mm(幅×奥行き×高さ)/約965g |
税別店頭予想価格 | 146,880円前後 |
プロセッサはWhiskey Lake第8世代のCore i5-8265U。i5ながら4コア8スレッドだ。クロックは1.6GHzから最大3.9GHz、キャッシュ6MB、TDP 15W。メモリはDDR4-2400で8GB×1。最大8GB×2の計16GB。ストレージはM.2 SSD 256GB。
どちらも内部にもう1スロットあり、カスタマーセンターでアップグレードサービスが行なわれている。価格の一例をあげると+8GBで15,000円、+128GBで18,000円(いずれも税別/往復送料はメーカー持ち。メモリ/SSD同時の場合は合計金額から5,000円引き)。
グラフィックスはプロセッサ内蔵Intel UHD Graphics 620。外部出力用にHDMIとType-Cを装備している。この時、出力は最大、HDMI:4,096×2,160@24Hz、3,840×2,160@30Hz、2,560×1,600@60Hz。USB Type-C(DisplayPort Alternate Mode):4,096×2,160@60Hzとなる。
ディスプレイは光沢あり13.3型IPS式のフルHD(1,920×1,080ドット)。タッチには非対応だ。sRGBの色域を96%以上カバーする。
ネットワークはIEEE 802.11ac対応、Bluetooth 5.0。有線LANは非搭載ながらType-Cアダプタ式の10Base-T/100Base-TXが付属する。
その他のインターフェイスは、USB 3.1 Type-C(DisplayPort Alternate Mode対応)、USB 3.0×2、720p Webカメラ、MicroSDカードスロット、指紋センサー、音声入出力。キーボードはキーボードバックライト付きとなる。
サイズは305.9×211.8×15.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約965g。4セル72WHrのバッテリを内蔵し最大駆動時間はなんと約28時間。カラーバリエーションはホワイトとダークシルバー。税別店頭予想価格は146,880円前後だ。
Core i7-8565Uを搭載した上位モデルの「13Z990-VA76J」は、ダークシルバーのみ、サイズ/重量などは同じで、プロセッサ以外にストレージがSSD 512GB、そしてType-CがThunderbolt 3対応になる。この時、外部ディスプレイ出力は最大5,120×2,880@60Hz、4,096×2,160×2@60Hz。税別店頭予想価格は178,880円前後。
全面。パネル中央上に720p Webカメラ斜め後ろから。天板はダークシルバー。天板中央にgramのロゴ。バッテリは内蔵式で着脱できない左側面。USB 3.0、HDMI、Type-C。パネルの傾きはこれが最大右側面。ロックポート、USB 3.0、音声入出力、microSDカードスロットキーボード(バックライト付き)。テンキーなしのアイソレーションタイプ。右上の電源ボタンは指紋センサー兼となっている。タッチパッドは一枚プレート型キーピッチは実測で約19mm四隅と後ろ中央にゴム足。手前左右のスリットにスピーカー横から。閉じた状態で15.5mmなので、開くとかなり薄いのが分かるACアダプタとType-Cアダプタ式10Base-T/100Base-TX。サイズ約95×60×25mm(幅×奥行き×高さ)、重量180g、出力19V/2.53A。海外製品としては珍しくコネクタがメガネタイプ重量は実測で約942g本機の特徴は何と言っても13.3型で実測約942gの軽さ。梱包から本体を取り出したとき、思わず「軽い!」と呟いてしまうほど。それがこのマシンの魅力のすべてだろう。
マグネシウム合金を採用した筐体は、米国国防総省「MIL-STD-810G」準拠のテストをクリア。今回手元に届いたのはダークシルバーであるが、ホワイトもある。ダークシルバーだとどこにでもあるごくごく普通のノートPCに見えてしまうため、なにかデザイン的にもうひと捻り欲しいところか。個人的にはホワイトの方が(まだ)好みだ。
全面はパネル中央上に720p Webカメラ。狭額縁のなかにWebカメラが埋め込まれている。左側面にUSB 3.0、HDMI、Type-C。右側面にロックポート、USB 3.0、音声入出力、MicroSDカードスロットを配置。パネルの傾きはこれが最大となる。トップカバーはgramのロゴのみ。裏は四隅と後ろ中央にゴム足、手前左右のスリットにスピーカーがある。付属のACアダプタはサイズ約95×60×25mm(幅×奥行き×高さ)、重量180g、出力19V/2.53A。
13.3型IPS式フルHDのディスプレイは明るさ、コントラスト、発色、視野角すべて良好。光沢があるため少しギラギラ感があるのは仕方ないところか。輝度0%にしても暗めの室内であれば十分使える明るさだ。
キーボードはテンキーなしのアイソレーションタイプでバックライト付き。主要キーのキーピッチは約19mm。右側[Enter]キー周辺のキーが狭くなっているものの、これは許容範囲だろう。打鍵感も浅すぎず深すぎず、クリック感もあり、打ち易い。タッチパッドは1枚プレートタイプだ。パームレストも含め十分面積が確保されている。
少し怖いのは[BS]の上、[Delete]の右に電源ボタンがあること。慣れの問題だとは思うが、何かの拍子に押してしまいそうだ。なおこの電源ボタンは、指紋センサーも兼ねている。面積が狭いので登録は少し面倒だが、認識は即座で扱いやすい。
振動やノイズは試用した範囲でとくに気にならなかった。発熱はベンチマークテストなど負荷をかけるとキーボード左上側、次に上側が熱くなる。とは言えパームレストまで熱は降りてこないので十分処理はできている。
サウンドは、スピーカーが裏にあるため、反射する素材によって音のイメージが変わる。基本カマボコレンジだがパワーはほどほどにある。また筐体が薄いため、出力を大きくすると筐体全体が振動する。音楽を聴くにはいろいろ物足りないが、まったくダメでもなく、微妙なさじ加減だ。
以上のように無難だが完成度は高く、加えて重量は1kg未満。非常に魅力的な13.3型に仕上がっている。個人的にはパネルが非光沢でマットブラックモデル(ダークシルバーは普通過ぎる、ホワイトは汚れが目立つ)が欲しいところか。