ほんっといい仕事しそう。
Samsung(サムスン)の新作Galaxy発表イベント「UNPACKED 2019」に参加した米Gizmodoより、Galaxy S10のハンズオンが到着しました。S10シリーズはすべてで4モデル。一気にどうぞ。
Galaxy S9もよかったですよね。でも、それは可変絞りカメラやAR絵文字といった変わり種機能があったからこそ。これらの機能は面白いとは思いましたが、今ひとつスマホとしてのインパクトには欠けていましたよね。
そこで今回こそ、Galaxy S10でSamsungはハードウェアのキレを全面に押し出してきました。プロセッサに最新のSnapdragon 855チップセットを採用し、リバースワイヤレス充電、Wi-Fi 6といったほかの機種にはあまりない機能に加え、セルフィーカメラにも工夫が凝らされています。
新機能について触れる前に、2019年になってGalaxy S10のラインナップをいつもの2種類から4種類に増やしてきたことは特筆に値すると思います。標準の6.1インチ「Galaxy S10」に加え、大きめの6.4インチ「Galaxy S10+」、これに加えて廉価なオプションとなる5.8インチの「Galaxy S10e」と、ハイテク満載の6.7インチの「Galaxy S10 5G」が新たに加わっています。
お値段は750ドル(8万3000円)より。5.8インチのGalaxy 10Eは、おしゃれなカーヴィー画面でなく、普通の画面でいいから安くしてほしいと願う人の思いが伝わった一台になりました。900ドル(9万9700円)のGalaxy S10と1,000ドル(11万800円)のS10+と比較してみても、S10eはそれほどがっつりとは仕様を落としてはいません。
Galaxy S10は、すべてのモデルにSnapdragon 855を搭載しています。またヘッドホンジャックもすべてのモデルについており、標準でメモリは6GB、ストレージは128GBが最低でもついてきます。これは従来のGalaxyの倍の容量となります。マルチタスク対応なのはもちろんのこと、もっとも安いGalaxy S10にしたとしてもそれなりのパフォーマンスは期待できる計算になります。5.8インチの画面のS10eは小さな携帯を求める人のハートをつかむでしょう。
S10e、S10、S10+も「ダイナミックAMOLEDディスプレイ」を搭載します。これはSamsungが名付けたものですが、これまでのどの機種よりも、生き生きとしたカラフルな色彩を実現しています。間違いなく業界でもっともすぐれたディスプレイといえるでしょう。S10の画面は世界初のHDR10+ 規格の認証を受けたディスプレイとSamsungは公言しており、カラーのクオリティに影響することなく、ブルーライトを42%軽減します。そしてなによりSamsungがすごいのは、パンチホール型セルフィーカメラです。
Samsungは、これを「インフィニティO(オー)ディスプレイ」と呼んでいます。このデザインは、すでにS10の兄弟機種やHuaweiのスマホでも採用されています。でも今まで正式にアメリカ市場で展開された端末はありませんでした。なのでS10が実質、初めてのパンチホールカメラの機種ということになります。機能的にはノッチとそう変わりませんが、少し手にとった感想を言えば、S10は今までとまったく違う印象を与えてくれます。
インフィニティOディスプレイの穴は、右上にあります。なにより中央のノッチよりも目立ちません。穴がディスプレイをくり抜く形で空いているにもかかわらず、手に持って使った感じでは、まったく穴が気にならないのです。
パンチホールカメラだけが新しい機能ではありません。指紋認証をディスプレイにもってきました。3D超音波スキャナをディスプレイ下に埋め込むことで、画面の大きさをフルに拡大しています。
S10の超音波指紋スキャナは、FIDO(ファイド、生体による新しいオンライン認証の標準化を進める団体)が新たに策定した、「バイオメトリック部品認定プログラム」に初の認定。なりすましなどにに対して強いセキュリティを持つというわけです。Samsungはセンサー用の機械学習アルゴリズムが、セキュリティパッチをアップデートしてくれるとしています。これでSamsung PayやGoogle Payなどのスマホ決済に対応できます。
その結果、Galaxy S8やS9なんかについていた虹彩認証がなくなることに。顔認証も設定により可能ではありますが、以前のようなセキュリティーレベルではなくなります。結果、指紋スキャナがS10の主な生体認証セキュリテイとなります。S10eにはディスプレイ内蔵の指紋スキャナがつきませんが、側面につけてくれています。
Snapdragon 855プロセッサのほかに、ハードもソフトも新しいものが組み込まれています。たとえば動画。ビデオクリップがぶれないように手ブレ補正機能もあり、前面のカメラでは4K UHDの録画が可能。フロントカメラもリアカメラ並みのクオリティとなってきました。
静止画では、被写体によって設定を最適化する「Scene Optimizer」機能で認識できる被写体を10項目追加しています。これで猫と犬の違いがわかるようになりました。そのほかにも、赤ちゃん、靴、車などを認識するようになりました。またS10シリーズは、802.11ax(Wi-Fi 6)に対応。これらのテクノロジーが一般に浸透する前に、Galaxy S10は時代を先取りしたことになります。
そしてバッテリー容量の増加と、S10シリーズすべてのモデルで「アダプティブパワー・セーブ・モード」がついているのがうれしいですね。これは日々のスマホの使い方をもとに、電力を抑えて、バッテリーの減りを抑える機能。
標準のGalaxy S9と同じ画面サイズのS10eも、少し大きめの3,100mAhのバッテリー(S9は3,000mAh)でお出かけ時も安心です。標準のS10は3,400mAh、S10+は4,100mAhです。
Galaxy S10は背面にも変化があります。トリプルレンズを搭載した背面のトリプルカメラには、77度の視野に対応する12MPのワイドアングルレンズと、視野123度の16MPウルトラワイドアングルレンズと、視野45度の12MP望遠レンズがついています(S10eにはワイドレンズとウルトラワイドレンズのふたつのカメラだけを搭載)。
フラグシップスマホには今やトリプルカメラが普通に搭載されるようになってますから、これは当然の流れでしょう。これによりGalaxy S10はHuawei Mate 20 ProやLG V40にひけをとらない仕様となっています。
Galaxy S10シリーズの背面には、リバースワイヤレス充電がついています。これはGalaxy S10のたっぷりのバッテリー容量があるからこそ実現した機能といえましょう。S10Qiワイヤレス充電に対応する機器を、充電できます。Samsungは明らかにGalaxy S10ユーザーに新しい完全ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds」をオススメしています。ちなみに(アメリカでは)S10を予約注文すると無料でついてきます。
友達の充電が切れそうにときにさっと助けてあげられるなんて粋ですよね。S10のクイック設定メニューではリバースワイヤレス充電のオン・オフの切り替えができ、使用も簡単そうです。アイコンをタップしてS10の背中に他のデバイスを乗せてあげるだけ。S10に標準でついてくるワイヤレス充電は向上しているので、壁からの充電と同じくらいの速度で充電できます。
Samsungの発表ではいつもプラスアルファで話題の提供があるものですが、今回は第4のモデルとなる「Galaxy S10 5G」が注目の的になりました。市場初の5G対応ということもさることながら、S10 5Gの画面はたっぷりの6.7インチ。バッテリは4,500mAh。Galaxy Note9と同じくらいのボディで、光の飛行時間で三次元情報が計測できるTOFカメラをフロントとリアの両方で採用しています。
僕にもS10 5Gを触るチャンスがありましたが、スイッチをオンにすることすら許されませんでしたので、S10 5Gのハンズオンは実質おあずけということになります。まだ 5Gネットワークは普及もしていないので、実際の発売は他のS10シリーズよりも後となる第2四半期以降になるでしょう。
これまでよりも高速なプロセッサー、大きなバッテリ、他社にはないユニークな機能の数々、ざっとこれだけでもS10はSamsungが全力投球した端末であることは間違いありません。S10が業界を牽引する存在になるのは間違いなく、2019年こそ買い時であると断言できます。
S10シリーズの予約注文は2月21日より、公式販売は3月8日からです(アメリカで)。S10eの販売価格はメモリ6GBとストレージ128GBのバージョンで750ドル(約8万3000円)から。S10およびS10+はメモリ8GBとストレージ128GBでそれぞれ900ドル(約10万円)と1,000ドル(約11万円)となります。512GBと1TBのバージョンも入手可能です。