ファーウェイの作るPCの品質が、新製品が出るたびに上がっていることは感じていたが、6月15日に発売された「HUAWEI MateBook X Pro」は、”改めてこのメーカーの製品を見直してみるべき”と感じるほどの輝きを放つ製品に仕上がっている。
6月15日に発売された「HUAWEI MateBook X Pro」。OS標準のAIパーソナルアシスタント「コルタナ」は、Web検索やリマインダーなど幅広く活用できる(コルタナ:ユーザーを手助けする AI アシスタント)製品写真を見るだけでも、面積の91%が表示部分という3:2の超狭額縁13.9インチ液晶パネル、大胆に大きく割り当てられているパームレスト部のタッチパッドなどが目に入ることだろう。
キーボード右上の丸いスイッチは指紋センサーが内蔵されており、Windows Haloを通じた指紋認証による素早いログインにも対応。さらにファンクションキー中央に配されたカメラは、確実なプライバシー保護という観点からも、デザイン上のアクセントや使いやすさといった観点からも望ましいものだ。
電源ボタンと指紋センサーを兼ねた丸いスイッチ押すとポップアップするカメラ。確実なプライバシー保護という観点でも重要だ ※写真は英語キーボード。日本で発売される製品は日本語キーボードが採用されるマルチタッチ操作に対応するディスプレイパネルは、防指紋加工が施されたCorningの「Gorilla glass」(ゴリラガラス)でカバーされ、タッチ操作を多用しても指紋が残りにくく、また滑りが良いため操作感も良好。このあたりは、スマートフォン上位モデルを思わせる仕上がりで、さすが世界第3位のスマートフォンメーカーだけのことはある。CNC削り出しによるメタルユニボディのスタイリッシュな外観も合わせ、“持つ喜び”を感じるノートPCに仕上げた。
CNC削り出しによるメタルユニボディは見た目の美しさに加えて頑丈。信頼感が高いUSB Type-Cコネクターを2ポート備えた現代的なハードウェアデザインだが、一方でUSB Type-Aコネクターも1ポート備えることで、既存デバイスとの互換性も両立……っと、勢い余って普通にWindows PCとしてのレビューを書き始めてしまったが、長年モバイルPCをレビューしてきた筆者から見ても、この製品の完成度は極めて高いと認めざるを得ない。
性能面も最上位モデルには4コアの第8世代Intel Core i7-8550UやディスクリートグラフィックスチップのNVIDIA GeForce MX150を搭載し、なおかつ約12時間の連続動画再生を可能とする57.4Whもの大容量バッテリーを搭載し、14.6mmの薄さと1.33kgという軽さ。それでいて想定価格は20万9800円(税別)というのだから、なかなかのコストパフォーマンスだ。
しかし今回、編集部からのリクエストは、このHUAWEI MateBook X Proについてオーディオ&ビジュアルの品質にフォーカスして評価してほしいというもの。基本性能の高さやスペックなどに関しては明らかなので、とりわけ感性に訴えかける部分に注目したいのだろう。
それでもPC部分について言及しておきたいのは、3:2というディスプレイのアスペクト比が、文書作成やメール処理、Web閲覧やWebアプリケーションの操作といった面で、極めて使いやすい設定であること。また程よいストロークと打鍵感を備えたキーボードの優秀性さも、トップクラスであることに触れておきたい。
まずはオーディオ部分に関して評価を進めることにしよう。本機のメインスピーカーはキーボード脇、細かなサウンドホールが並ぶ部分に小型のフルレンジのドライバーユニットが内蔵され、さらに本体底部の左右に配置されたスリットに、低域再生用ドライバーユニットが割り当てられているが、注目されるのは米Dolby(ドルビー)の「Dolby Atmos®サウンド・システム」が組み合わされていることだ。
キーボードの横にフルレンジドライバー底部のスリットから重低音このシステムを有効にするには、システム設定が確実にドルビーのプロファイルが適用されている必要がある。プリインストールされている「Dolby Access」アプリを開くと、スピーカー設定でDolby Atmos®用のセッティングプロファイルを選べるので選んでおこう。さらに、本機には通常1650円で有料提供されている「Dolby ATMOS Headphone」がバンドルされている。
通常1650円で有料提供されている「Dolby ATMOS Headphone」がバンドルされているこの機能を用いると、Dolby Atmos®などのサラウンド音声を、ヘッドフォンを通じて立体音響を楽しめるようデジタル処理を施してくれる。数年前までのバーチャルサラウンドと比較すると、はるかに現実感、包囲感のあるサラウンドをヘッドフォンだけで楽しむことが可能だ。インイヤータイプよりも、オーバーイヤータイプのヘッドフォンの方が良い印象だった。
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