ノートPCのスクリーンが必ずタッチ対応していることが保証されるのなら、今、一般的なクラムシェル型ノートPCにおけるタッチパッドは、その必要性を維持し続けられるのだろうか。
タッチパッドは、キーボードのホームポジションに近い位置でポインティング操作ができたり、端をなぞることでスクロールができるなど、多くの利便性を提供してきた。でも、PC本体の薄型化により、左右ボタンが省略されてしまったり、タッチスクリーン操作との整合性の矛盾などで、少なくとも以前よりは使いにくくなり、個人的にはなくてもいいんじゃないかと思うこともあるような存在になってしまった。ベンダーにもよるのだが、パッド面とパーム面との段差、あるいは境界がが低くなったことで、予期せぬタップが発生することが多くなったようにも思う。懸命に原稿を書いているのに、カーソルがあらぬところにジャンプしたり、背後のウインドウにフォーカスが移ってしまうことが、頻繁に起こるようになってきている。パームレストはないものと思って、手のひらを浮かせてタイプするようにすればいいのだが、なかなか長年のクセは抜けてくれない。
タッチパッドがなくても、本当にそれで困らないのか。いや、困ることもたくさんあるだろう。それを回避するにはどうすればいいのか。
まず、1つの解として、ThinkPadのトラックポイントのようなデバイスに戻り、従来型のポインティングという操作の最低限の機能を残すようなやり方はどうか。ほとんどの操作は指でもできるが、細かいボタンをタップしたり、ドロップダウンリストから何かを選んだりといった作業は、まだ、UI的にタッチフレンドリーではないWindowsデスクトップアプリでは難しいからだ。
もう1つの解はパームレストの左端(左利きのユーザーのために両サイドにあるともっといい)の邪魔にならないところに静電式のタッチセンサーを実装しておき、それを使ってポインティング操作を行なうようにすることだ。ほとんどの操作はスクリーンのタッチでいいのだから、これはまさに緊急用だ。だから、キーボード中央の一等地にある必要はない。
さらには、ペンを使うというような解もあるだろうけど、ペンを持つくらいならマウスがいいと思うユーザーもいるだろう。
もっと考えるなら、いろいろなアイディアが浮かんでくる。ただ、タッチパッドの省略によって得られる重量減はほとんど期待できないとも聞く。そのくらいの重量コストならあってもいいんじゃないかといった考え方もあるだろう。